任期満了に伴う塩谷町長選(8月2日投開票)は、28日の告示まで1週間を切った。3選を目指す現職の見形和久(みかたかずひさ)氏(67)と前回の町議選でトップ当選した町議で新人の福田徳弥(ふくだとくや)氏(49)の一騎打ちが確実な情勢だ。ともに無所属で政党色の薄い選挙戦。無党派層の取り込みが鍵を握る。

 「高齢者から小さい子どもまで、この町で暮らしてよかったと思える、明るい町にしましょう」。18日、福田氏は現職の地元・玉生地区での総決起集会で、支持者ら約140人を前に熱弁を振るった。派閥で選挙をやっていては町が駄目になる-出馬を決意するまでの葛藤も明かした。

 地元船生地区などの行政区だけでなく、女性・若者向けのミニ集会を積極的に開催。ある幹部は「無党派層をいかに取り込み、投票行動に結び付けられるかだ」と強調する。2017年の町議選には自民党公認で立候補したが、町長選では「町民から幅広く支持を集めたい」と党推薦を受けていない。

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 同町は昨年7月の参院選栃木選挙区で唯一、立憲民主党候補が自民候補の得票数を上回った自治体。同4月の県議選(さくら市・塩谷郡)では立民現職を相手に自民新人2人が議席を独占したが、同町内だけで見ると、合計得票数は4割にとどまる。

 その県議2人は今回、異なる動きを見せる。西川鎭央(にしかわやすお)県議は福田氏を支援するが、小菅哲男(こすげてつお)県議は「私が塩谷広域行政組合議会議長の時、見形さんに世話になった経緯がある」と現職の応援に回る。

 過去2回の同町長選で推薦候補が敗れ、直近の矢板、鹿沼、小山市長選でも推薦候補が敗れている自民。今回、推薦していないとはいえ党籍のある候補の勝利がほしいところだが、事実上の分裂選挙となっている。

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 対する見形氏は新庁舎建設といった複数年事業の仕上げなどのため、8年間の実績を前面に出して4度目の町長選に臨む。立民の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員(栃木2区)の支援を受けるが、主軸は自身の後援会だ。

 新型コロナウイルス感染予防のためミニ集会開催は自粛し、玉生、船生、大宮の町内3地区の各集落の担当者らを中心にポスティングなどに力を入れる。事務所立ち上げ直後の後援会役員会で見形氏は「皆さんに足で活躍していただくしかない」と呼び掛けた。

 幹部の一人は「相手陣営は若い人が多く、活発に見える。若者世代の票は向こうに多く流れるかもしれない」と警戒感を強め、組織固めに力を注ぐ。