「♯家出」で検索して出てきた未成年が書き込んだとみられるメッセージ。相談に応じようとする返信がついている(本文と写真は関係ありません。画像は一部加工しています)

 栃木県内では昨年以降、会員制交流サイト(SNS)を介して未成年が事件やトラブルに巻きこまれ、大きく報じられるケースが相次いでいる。間もなく夏休みを迎えるが、専門家は「長期休みは感情のコントロールが崩れやすくなる」として、SNSトラブルの一因となる可能性を指摘する。周囲の大人が子どもの変化に気付き、悩みに傾聴する必要があるという。

 県内では2019年11月、大阪市の女児を小山市の自宅まで連れ去ったとして、無職の男=未成年者誘拐罪などで起訴=が逮捕された。また今年5月、県南在住の高校3年女子生徒の行方が分からなくなり、数日後、SNSで知り合った男と長野県内にいるところを保護された。

 臨床心理士でNPO法人「県カウンセリング協会」の丸山隆(まるやまたかし)理事長は「SNSで居場所を求めるしかない子が、トラブルに巻き込まれてしまう」と指摘する。一方、SNSで未成年に近づく大人の心理については、「悩みやつらさを抱える子どもの『信用したい』という思いを利用している」と分析する。

 捜査関係者によると、県内でのSNSのトラブルでは、「有名高に在学」や「会社経営」などのうそで子どもの気を引いたとみられるケースもある。丸山理事長によると、このような手口は「こんな魅力的な人が好意を寄せてくれる」と信じやすくさせるための常とう手段なのだという。

 周囲の大人は、どう対応するべきなのか。丸山理事長は「服装の変化や、理由を言わずに帰宅が遅くなることなど、子どもの小さな変化に気付いてほしい」とアドバイスする。また、実社会で居場所を見いだしづらい子どもたちを守るには、「叱るのではなく、本人の気持ちをよく聞いてあげることが必要だ」としている。