西鹿沼町の私有地から抜き取られた記念碑

鹿沼商工高の校庭に移設した記念碑。隣は碑文の説明書き

西鹿沼町の私有地から抜き取られた記念碑 鹿沼商工高の校庭に移設した記念碑。隣は碑文の説明書き

 【鹿沼】鹿沼商工高同窓会(中村国司(なかむらくにじ)会長)は、西鹿沼町の私有地に建っていた同高校の前身ともいえる「私立上都賀学館」の記念碑を同高校校庭に移設。除幕式を予定していたが、新型コロナウイルス感染防止のため当面延期とした。移設実行委員会は「盛大に除幕式をやりたかったが、現在の状況ではやむを得ない」とし、コロナ禍が収まってから改めて同窓会が簡素に行うことにしている。碑は既に公開している。

 記念碑は1931年に同学館の卒業生らが元の校舎付近に建てた。碑文は文部大臣を務めた田中隆三(たなかりゅうぞう)により、開学の意義や、上都賀郡の中等教育の発祥の地であることなどが長文で書かれてある。

 同窓会は広く周知したいとの思いで、同高校が昨年創立110周年となった記念事業として移設を計画。OBらを中心に募金活動も展開した。

 地元の石材業者が昨年11月末に記念碑を撤去、洗浄を経て同12月27日に設置作業を行った。群馬県の三波石(さんばいし)を高さ70センチの台座とし、碑は高さ210センチ、幅78センチ、厚さ13センチ。福田富一(ふくだとみかず)知事が「上都賀学館記念碑 西鹿沼町より移す」と揮毫(きごう)した。

 寄付金は222人から合計1015万円が集まった。移設費用などを除いて「上都賀学館記念碑基金」とし、今後、同高校の歴史に関係する事案で使用するという。

 当初は4月13日に除幕式を予定。新型コロナの影響で延期としたが、感染防止もあり当面見送ることにし、移設実行委員会も関係者にあいさつ状などを送り解散した。福井辰次(ふくいたつじ)実行委員長(91)は「多くの人の協力に感謝する。多くの人に碑を見てほしい」と話す。

 同学館は、多くの公職を務めた高山角造(たかやまかくぞう)が私費を投じて、1903年に設立。麻苧(あさう)町の仮校舎を経て翌04年に西鹿沼町に校舎を新築。10年に同高校がある花岡町に上都賀郡立農林学校として引き継がれており、現在の同高校、鹿沼南高の“源流”となっている。