コロナ禍における観光のあり方についてボードを使って説明する渡辺市長=16日午後、那須塩原市役所

 栃木県那須塩原市の渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長は16日の定例記者会見で、新型コロナウイルス禍の中の観光対策として市内観光事業者の定期的なPCR検査を実施する方針を明らかにした。「安心安全の見える化」で市民の不安を払拭し、対外的な市のブランドイメージ向上も図る。コロナ対策の財源として、観光客から徴収する「医療などに特化した目的税」導入の考えも示した。渡辺市長は「スピード感を持ち、PCR検査など、できるものから早ければ8月から始めたい」としている。

 PCR検査の対象は、宿泊施設を中心とした観光事業者2千人程度を想定。観光客への接触が多い人から順に月1、2回を目途に実施し、最大半額を助成する。市内では2医療機関がPCR検査の実施態勢を整えており「那須郡市医師会からも賛同を得ている」という。

 市は新型コロナ禍で構築を進める観光モデルとして、信頼(安心・安全)、ウェルネス(心と身体のケア)、責任の三つを柱に掲げており、PCR検査は安心・安全の一環。感染対策の一定基準を満たした事業者を認証する制度も創設する。

 医療目的税は観光客にも一定の「責任」を担ってもらうとの趣旨で、渡辺市長は「観光客を感染リスクと捉えず、医療財源を提供してくれる人という風にイメージも変わるはず」と話す。創設には時間を要することから、その間は入湯税の引き上げや「環境・感染対策応援金」として徴収する仕組みを検討するという。

 観光事業を巡っては、国が22日からの開始を目指す「Go To トラベル」事業の見直しが検討されている。渡辺市長は「個人的には(全国一律でなく)近隣から始めるべきだと思う」とした上で「第2、第3波も想定される。有効なワクチンなどが開発されるまでは万全な態勢を取りたい」と強調した。