県産和牛を使った牛丼を食べる児童たち=10日午後、宇都宮市

 栃木県などは、大半の県内小中学校など519校の給食に県産和牛を無償提供する。新型コロナウイルスの感染拡大による外食控えや訪日外国人の減少によって、和牛は需要低迷が続いている。給食を通して、子どもたちに県産和牛の魅力を伝えることで需要を喚起し、畜産農家の支援につなげるのが狙い。10日は宇都宮市一の沢1丁目の作新学院で牛丼が振る舞われた。

 和牛などの販売促進を図る国の緊急対策事業に基づき、各学校に最大3回まで提供する。対象は児童生徒や教職員約16万人。1人当たり1食1千円以内(100グラム以内)の費用を負担する。県の4月補正予算に約6億2千万円を計上した。全額国の補助金を活用する。

 最初の提供先となった作新学院では小学部、中等部に通う計約900人と教職員が、県産和牛を使った牛丼を味わった。1年1組の吉村八慧(よしむらやえ)さん(6)は「香ばしくて今まで食べたことがない味」と笑顔だった。

 今後は、県やJA全農とちぎなどでつくる県産牛販売促進協議会が主体となり、各学校からの要望に応じて提供日やメニューを決める。事業は来年2月まで。

 4月の県産黒毛和種(A4)の枝肉相場は前年同期の約3割減になるなど、和牛はコロナ禍による影響を大きく受けた品目の一つ。徐々に回復しつつあるものの、完全には需要を取り戻せておらず「生産者の状況は依然として厳しい」(JA全農とちぎの担当者)。

 県畜産振興課の担当者は「学校給食への提供を通して、家庭での消費につながるよう期待したい」と話した。