戦争の悲惨さを物語る貴重な資料が並んだ戦災展

 【宇都宮】宇都宮空襲から75年。戦争の悲惨さと平和の尊さを考える「うつのみやの戦災展」が10日、宇都宮城址公園清明館で始まった。空襲に備えるために市が市民に向けて発出した書類や配給通帳、焼夷(しょうい)弾の直撃を受けて亡くなった少女が背負っていたリュックサックなど約120点が並んでいる。8月31日まで。

 1945年7月12日の宇都宮空襲の記憶をつなごうと、戦災展は市文化課が主催し、2001年度から毎年開かれている。

 今回は、市の戦災記録保存事業(1999年4月~2000年3月)で収集したものを中心に、新たに市民宅で見つかった古文書などを借り受けて展示した。

 市が発出したのは「宇都宮市防空演習中の主なる心得に就いて市民へのお知らせ」と題した文書で各種警報の伝え方や、各家庭で取り組む明かりの管理について細かく記している。

 この日はオープンと同時に市民らが続々と訪れた。夫と足を運んだ市内に住む、中島(なかじま)リウ子(こ)さん(80)は、市中心部の自宅で空襲に遭った記憶をたどりながら「家の裏にも焼夷(しょうい)弾が落ちた。私も死んでしまっていたのかもしれない」と話しながら一つ一つの展示物に足を止め、熱心に見入っていた。