吹奏楽部の演奏に合わせ、グラウンドを行進する作新学院高硬式野球部の3年生=10日午後、宇都宮市一の沢1丁目

 新型コロナウイルスの影響で中止となった硬式野球の第102回全国高校選手権栃木大会が本来の予定であれば開幕するはずだった10日、昨年まで同大会9連覇中だった作新学院高は同校で独自の模擬開会式を開催した。保護者や学校関係者らが見守る中、ユニホーム姿の3年生部員が、2年半の汗と涙が染みこんだグラウンドで堂々とした“入場行進”を披露した。

 18日に開幕する本県独自の公式戦「2020年栃木県高校野球交流試合」の開幕を目前に控え、改めて選手たちの思いを一つにしようと小針崇宏(こばりたかひろ)監督(37)が発案。吹奏楽部やチアリーディング部の生徒も協力を申し出た。

 吹奏楽部が「栄冠は君に輝く」を演奏する中、チアリーディング部に先導された3年生部員31人がグラウンド内を一周。鈴木蓮(すずきれん)主将(17)が「高校野球を通して栃木、全国に夢と感動を与えたい。自分たちの最大限のプレーを発揮し、見てくださる方々への感謝を忘れずに3年生全員でプレーすることを誓います」と選手宣誓した。中には目に涙を浮かべながら、ナインを見つめる保護者の姿もあった。

 吹奏楽部の3年生西山咲(にしやまさき)部長(17)は「私たちも最後のコンクールがなくなったので、大会のある野球部を応援したかった。今まで通り球場で演奏できない悔しさはあるが、やれて良かった」と笑顔。野球部の小平裕一(おだいらゆういち)保護者会長(47)は「粋な計らいに感謝したい。頑張ってきた3年生の行進する姿には感慨深いものがあった」としみじみと語った。