5日投開票の栃木県小山市長選で落選した大久保寿夫(おおくぼとしお)市長は9日、下野新聞社の取材に応じ、「もう選挙に出るつもりはない。政界から引退する」と明言した。当選した浅野正富(あさのまさとみ)氏に同日、選挙後初めて電話し、「今後はできる範囲で市政発展のために協力したい」と申し出たという。大久保氏の任期満了は30日。

 大久保氏は今後のライフワークとして結城紬(つむぎ)の生産振興や自身が農林水産省職員時代から関わってきた土地改良事業、市長として社長を続けている道の駅思川の運営会社などに関与したい意向を示した。それ以外の市長の充て職は「全て返上する」と話した。

 ただ7日の庁議の後には市職員を前に、浅野氏を批判する長広舌をふるったとされる。市職員の間には大久保氏が関与を望む団体やポストについて「退任前に都合のよい既成事実を作り上げようとしているのでは」との困惑も広がっている。

 これに対し、大久保氏は「退任後にどんな協力ができるか調査研究しているだけ。何も決めてない。浅野氏との対立も望んでいない」と語った。一方、浅野氏は「これ以上対立を深めても仕方がないという思いは同じ。大久保氏の真意を早めに確かめたい」と述べた。