県内市町立小中学校の水泳授業の実施状況

 新型コロナウイルスの収束が見通せない中、県内市町の8割に当たる12市8町の公立小中学校(国立を除く)で、今夏は水泳の授業を行わないことが4日までに、下野新聞社が各市町教育委に行ったアンケートで分かった。更衣室などで「3密」を回避することが困難なことや、休校の長期化で健康診断の実施が遅れ、児童生徒の健康状態を把握できていないことが影響しているようだ。

 実施しないのは、足利、鹿沼、大田原市、上三川、益子町など20市町。理由として「健康診断を実施しておらず、児童生徒の健康状態が把握できていない」(足利市など)「更衣室や施設までの移動バスなどで3密の状況を避けることが困難」(那須烏山市など)などが挙がっている。芳賀町の小学校では実技は見送ったが、水の安全に関する座学は行うという。

 例年通り実施するのは、茂木、那須の2町のみ。茂木町は着替えの際に更衣室だけでなく教室も利用して児童生徒を分散させ、入水時も一斉に入らないように指導する。那須町も着替えに空き教室を活用するなどして密を避け、授業中も十分な距離を保つように工夫する。また、指導を行う外部講師は透明の水泳用マスクを着用するという。

 宇都宮市は学校裁量で各小中学校に判断を委ねた。6月末時点で、中学校は25校中22校が実施、小学校は68校中49校で実施する方針だという。栃木市は中学校では校長会で実施しないことを決めたが、小学校は学校裁量で29校中19校が実施する。塩谷町も学校裁量で中学校は実施しないが、3小学校のうち1校が学校裁量で校外の施設を利用して授業を行うという。

 宇都宮大共同教育学部の加藤謙一(かとうけんいち)教授(保健体育)は「水泳の授業は水難事故防止や水中運動による運動能力向上などの目的がある。そういう機会がなくなることは残念だが、今年はやりやすい環境ではないため致し方ない」としている。

 文部科学省とスポーツ庁は学校での水泳授業について、プールの塩素濃度を適切に管理すれば水中感染リスクは低く、密集・密着の場面を避けるなど十分な対策を講じて実施することは差し支えないとの見解を示した。一方で十分な安全対策を講じることが困難であれば、本年度の水泳授業は控えるよう求めている。