新型コロナウイルスと熱中症対策を兼ね、フェースシールドを着用して立哨する警備員=今月中旬、県庁地下駐車場入り口

 高温の日が増える中、栃木県内企業が新型コロナウイルスと熱中症対策の両立に苦慮している。国は屋外で十分な距離が確保できればマスクを適宜外すよう呼び掛けているが、既に社会的なマナーとしても着用が定着しており、屋外の職場からは「不用意には外せない」との声も。本格的な夏場に向け、代替としてフェースシールドを着ける動きも出ている。

 屋外でマスクを外すことについて、倉庫業や輸送業などの佐野物流センター(佐野市西浦町)の担当者は「こちらは良くても、お客さまへの気配りがある。できるだけ外さないよう、担当部署には言っているが…」と悩ましげ。屋外の現場には飲料を持ち歩くよう指示している。

 総合建設業の中村土建(宇都宮市大曽4丁目)も、工事現場では基本的にマスク着用を指示している。一方で大型扇風機や送風機を増やしたり、できるだけ大きな休憩所を設置したりと熱中症対策との両立にも腐心。担当者は「現場の広さには限りがある。できることをやるしかない」と話す。

 警備業の北関東綜合警備保障(宇都宮市不動前1丁目)は人と対面する機会が多い一部の現場で、警備員にマスクの代わりにフェースシールドを着けるようにした。県庁地下駐車場の出入り口で立哨する同社の警備員大島茂(おおしましげる)さん(67)は「実に快適。マスクを外しているのとほとんど変わらない」とうなずいた。引越業のコエド物流引越センター(宇都宮市越戸1丁目)も、作業員のフェースシールド着用を検討中という。

 新型コロナウイルス感染拡大前からマスク着用を原則としている職場はどう対応しているのか。「レモン牛乳」などで人気の栃木乳業(栃木市大平町川連)には、蒸気で製品を殺菌する工程があり、屋内でも高温多湿になる職場がある。熱中症対策として小まめな休憩や水分補給のほか、塩あめや梅干しを用意し、社員に適宜口にしてもらっているという。

 厚生労働省などはコロナ禍における熱中症対策について「屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合はマスクを外す」「マスクの着用時は負荷のかかる作業や運動を避け、周囲の人との距離を十分に取った上で、適宜マスクを外し休憩してほしい」などと呼び掛けている。