栃木労働局は27日までに、2019年まで過去10年間の県内の職場における熱中症の発生状況を公表した。4日以上休業した人は64人で、このうち5人が死亡していた。同局は今季、新型コロナウイルス対策のマスク着用で熱中症のリスクが高まることが予想されるとして、水分や休憩の取り方などを盛り込んだ七つのルールを新たに示し、一層の徹底を呼び掛けている。 

 19年から過去10年間の熱中症の死傷者数は15年の12人が最も多く、次いで14年と18年の11人。このうち15年は3人、11年は1人が死亡した。15年は猛暑日が多いなど暑かったという。

 業種別では建設業31.3%、製造業18.8%、道路貨物運送業と警備業が9.4%の順。月別では8月の48.4%が最多で、次いで7月の39.1%。夏場の2カ月で9割近くを占めた。

 発生時間は午前11時台、午後2時台、午後3時台が目立つ。午後だけでなく午前11時にも発生が多いことについて、同局は「午前11時は太陽の高度が高く、気温が急激に上がるころ。体が慣れていないのでより注意が必要」と指摘する。

 昨年のケースを見ると、道路舗装作業中の50代の男性は、8月の午後2時ごろ、熱中症を発症していた。炎天下の中、朝から作業に従事し、水分補給を怠っていたとみられる。

 熱中症は屋内でも見られる。同月午後2時ごろ、溶接作業中の男性が救急搬送された。室内が高温になっていたと考えられるという。

 同局は「感染症の対策はおろそかにできず、作業はマスクを着用することが前提になる」として熱中症の対策を強化。関係労働災害防止団体などに熱中症対策キャンペーン(5月1日~9月30日)への協力を要請したほか、「のどの渇きにかかわらず一斉に水分・塩分を補給する」「こまめに休憩を取る」などの七つのルールを独自に示し、注意を促している。