「NOT A HOTEL」が進出する那須野ヶ原ファーム。観光拠点としての期待が高まる=2019年12月、大田原市狭原

ホテルが進出する那須野ケ原ファーム

「NOT A HOTEL」が進出する那須野ヶ原ファーム。観光拠点としての期待が高まる=2019年12月、大田原市狭原 ホテルが進出する那須野ケ原ファーム

 ホテルに情報通信技術(ICT)などのテクノロジーを導入したベンチャー「NOT A HOTEL(ノットアホテル)」(東京都港区六本木)が栃木県大田原市湯津上地区に進出することが26日、分かった。予約やチェックインなどは専用アプリで行い、テレビやエアコンの操作などは部屋のタブレットで対応する。津久井富雄(つくいとみお)市長は「最先端技術を使った新しいスタイルのホテル。非常に期待している」と歓迎。那須地域の新たな観光拠点として注目されそうだ。

 建設予定地は、同市狭原の農業生産法人「那須野ケ原ファーム」の土地で、丘陵地に広がる牧場の広大な景観が人気のスポット。

 約50ヘクタールに及ぶ農地や牧草地、厩舎(きゅうしゃ)と馬18頭、レストランなどを共同経営者の農家と分担して取得し、運営に当たる。「馬と暮らすホテル」をコンセプトに温泉付きコテージを最大10棟建て、温泉を利用した屋外プールも設ける。本年度内に着工、来年度中の開業を目指す。投資額は10億円以上。

 同社は予約サイトなどの第三者を介さず、自社サイトから消費者に商品を直接販売する「D2C」(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)型のホテルを開発・運営する。予約や接客などにテクノロジーを導入した「ホテルテック」に取り組み、現在全国8カ所にホテルを計画している。

 浜渦伸次(はまうずしんじ)社長(36)は、アパレルのEC(電子商取引)サイト支援会社「アラタナ」(宮崎市)を創業した後、インターネット衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)へ売却してゾゾグループに参画し、3月に退社した。4月に「第二の創業」として「NOT A HOTEL」を立ち上げた。

 出身地の宮崎市で、海岸に近いホテル跡地を観光拠点に再開発する「青島プロジェクト」の発起人で、施設内にホテルも建設している。「宮崎の『ビーチビレッジ』と、ここの『ファームビレッジ』の2カ所をフラッグシップ(旗艦)にして力を入れたい」と話す。

 大田原市は宿泊施設が少ない上に近年、新規の立地もなく、宿泊型の観光誘客が課題とされる。浜渦社長は「消費だけの観光ではなく、移住を促すような観光が一番の地域貢献。ノットアホテルへの宿泊をきっかけに移住する人がでてくれば」と意欲を見せている。