小山市長選に立候補を予定している現職の大久保寿夫(おおくぼとしお)氏(71)と新人で弁護士の浅野正富(あさのまさとみ)氏(63)が「多選」のほかに火花を散らす争点が市の財政だ。「行政改革で財政を再建した」と主張する大久保氏に対し、浅野氏は「危機的な状況」と指摘する。

 「財政調整基金は標準財政規模の10~20%が適正といわれる」

 「弁護士なのにうそを言ってはいけない」

 地元ケーブルテレビで生中継された20日の公開討論会。災害など緊急時の備えとなる「貯金」に当たる財政調整基金を巡り、その少なさを指摘する浅野氏に大久保氏が食ってかかった。

 実際はどうか。市は2018年度末で県内最下位の3.9%。このとき約12億2千万円だった基金残高は新型コロナウイルス対策のため今年4月の補正予算で取り崩し、10億円台に減少した。

 適正な割合は一律に決まっているわけではない。だが、県内14市のうち10市は10~20%台を保っているのも事実だ。

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 市は財政調整基金や今後見込まれる債務の大きさを示す将来負担比率を除けば、県内14市でトップを誇る自主財源比率、経常収支比率など、主な財政指標で県内平均を上回る。

 大久保氏は20年前の就任以来、市職員の人件費を削減し、「年間37億円の新たな財源を確保した」と強調する。その上で、JR小山駅周辺の開発や工業団地の造成、国営かんがい排水事業などを実現。とりわけ国や県の補助金を活用した事業には積極的だ。

 ただ、補助事業には市の負担も伴う。

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 新型コロナの影響で今後、税収の落ち込みは避けられない。限られた財源で市政をどう運営するのか、その手法が問われる。

 大久保氏は「国、県のお金を使って小山市を豊かにする」「国、県とのパイプのない新人に任せることはできない」と訴える。

 浅野氏は「市民と対話を重ね、市職員の力を生かし、市議会や県議会に連携協力を求める」「トップダウンではうまくいかない」と対抗する。

 告示日は28日に迫る。