今月16日午後5時時点の本県の降ひょう推定域図。赤や黄色が目立つ鹿沼、さくら、矢板市などでは実際に地上でひょうが確認された。青は雨を示す(防災科学技術研究所提供)

 国立研究開発法人防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、栃木県を含む首都圏の降ひょうや雷雨などを地図上でリアルタイムに把握できるシステム「ソラチェク」を開発し、25日までにインターネット上で公開した。降ひょうの観測システムは国内初という。雷が多発する本県では農作物のひょう害も少なくなく、防災科研は「被害軽減のための行動につなげてほしい」と活用を呼び掛けている。

 ソラチェクでは観測データを基に解析・推定された(1)雨(2)風(3)雷(4)ひょう-の気象情報を過去2時間までさかのぼって閲覧できる。

 降ひょうの観測は高性能な気象レーダーのデータを活用。降ひょう推定区域を500メートル四方で表示し、5分間隔で情報を更新する。

 防災科研によると、雨や風と違い、ひょうは観測システムがない。突発的かつ局地的に降る場合が多く、地表ではすぐに溶けるため確認が難しい。ひょう害地域の特定も目撃証言や聞き取りが頼りで、発見にも時間がかかりがちという。

 県によると、降ひょうでの農漁業被害は2015年~19年の間に計9日間発生した。うち8日間は6~8月に集中。ひょうに伴う強風被害も含む被害総額は約1億7706万円に上る。

 防災科研水・土砂防災研究部門の岩波越(いわなみこゆる)総括主任研究員は「ソラチェクは上空の情報から降ひょう推定域を示す。ひょう害を速やかに把握し対策すれば、病害のまん延といった二次被害は防げる」と話した。

 雷の情報は250メートル四方で表示され、雲の中の雷や落雷の位置を見ることもできる。風向きや風速は1キロ四方で表示。防災科研は屋外行事の開催判断などにも活用できるとしている。

 検索サイトで「ソラチェク」と入力すれば、上位に表示される。