新たに作成した暫定版ハザードマップを公表する和泉市長

 昨年10月の台風19号災害を踏まえ、足利市の和泉聡(いずみさとし)市長は23日の定例記者会見で、死者1人を出すなど被害が甚大だった富田、毛野地区で新たに作成した暫定版ハザードマップを公表した。県が作成した旗川の浸水想定区域図に加え、実際に浸水した範囲や住民の談話もを盛り込み、被災の教訓を反映させた。地域に防災情報を知らせる連絡網の整備など、その他の対策と合わせて明らかにした。

 両地区は旗川の氾濫や出流川、尾名川の水門が閉められたことによる内水氾濫などで一帯が広く浸水。富田地区では避難中の車が冠水で立ち往生し、乗っていた女性1人が亡くなった。

 一方、県管理の旗川は従来、浸水想定区域図が示されていなかった。被災を踏まえ県は今年5月、旗川を含む19中小河川の区域図を作成した。

 マップには台風19号の際の浸水区域や道路冠水箇所を示し、堤防の越水などの流れも矢印で示した。さらに、住民への聞き取りやアンケートで寄せられた経験談を地図に落とし込んだ。

 例えば旗川沿いの地域は「踏ん張りが効かないくらい急速な流れだった」、内水氾濫で浸水した地域は「雨がやんだ後もどんどん増水していった」「水上バイクでの救助も行われた」などのコメントを加えた。

 暫定版は両地区の約7500世帯に配布し、公民館に掲示する。市は2021年度、土砂災害も含めた全市的なハザードマップの改訂を進める。

 和泉市長は「経験や実際に起きたことを落とし込み、市民と相談しながら協働作業で作れた」と話す一方、「地球温暖化などで毎年(災害が)起きてもおかしくないと認識していかねばならない」と振り返った。