栃木市議会で今月、女性議長が誕生した。合併後の同市議会で3人目なので珍しくはないが、同市は市長も教育長も女性が務める。県内の自治体でこれらの要職を全て女性が占めるのは初めてではないか▼この話を耳にして、新型コロナウイルスの感染拡大で陣頭指揮に当たる世界の首脳の中でも、女性がひときわ活躍していたのを思い出した▼ドイツのメルケル首相やニュージーランドのアーダン首相、台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統らだ。北欧では、政策を発表する首相を背後で見守る閣僚たちも多くが女性だった▼これらの国や地域が抑え込みに高い成果を上げたのは、首脳が女性だったというより、男女とも同じように政策決定に携わり、性別を超えて有能な人材をトップに据え、多様な価値観を反映できる社会だからだろう▼それ故、国民の共感を呼んだ。翻って本県は、県と全25市町で首長は3人にとどまり、議長は同市のみ。昨年末現在の県議や市議、町議の割合は10・3~15・8%で、国が今年までに達成を目指すとした30%にほど遠い状況だ▼各国の男女格差を見る「ジェンダー・ギャップ指数」で日本は今年、153カ国中121位と過去最低だった。女性の社会進出が進んだといわれるが、世界と比べればまだまだ。栃木市のような事例を珍しいと思わなくなるのはいつの日か。