「新型コロナウイルスに負けるな『読者の手作りマスクコンテスト』」の最終審査が17日、下野新聞社本社で開かれた。素材、機能性にこだわったものや個性豊かなデザインなど計307点の応募があり、1次審査を通った55点から「しもつけ手作り賞」に宇都宮市駒生1丁目、事務員尾又幸江さん(47)、壬生町下稲葉、鹿沼商工高3年高久紗也加(たかくさやか)さん(17)、那須塩原市島方、主婦竹内(たけうち)あすみさん(32)の作品が選ばれた。紙面ではファッショナブル賞とチャーミング賞(各4点)を含めた入賞作品11点を紹介する。
■しもつけ手作り賞
マスクを通じて作り手の思いが強く伝わる「しもつけ手作り賞」には、無病息災を願う宇都宮の縁起物「黄ぶな」やイチゴといった栃木ならではのデザインをあしらった作品や、小さな子どもが喜んで着けられる作品が選ばれた。
尾又さんは新型コロナウイルス予防の願いを込めて、黄ぶなの形に仕上げた。黄ぶながテーマの作品は何点かあったが、丁寧な作りとインパクトの強さが際立ち、審査員から「マスクに込められた思いが伝わる」「黄ぶながかわいらしく表現されている」と最も高い評価を得た。
自宅がイチゴ農家の高久さんは、自宅で育てた「とちおとめ」を使って布をほんのりピンク色に染色した。本県を代表する農産物のイチゴで手間暇掛けて染め上げた点や、ビーズなどでイチゴの形を表現した点が好評だった。
竹内さんは、新幹線が大好きな4歳の息子のために、東北新幹線「はやぶさ」と東海道新幹線「のぞみ」をイメージしてリバーシブルのマスクを作った。新幹線は写実的ではないが温かみがあり、子どもへの愛情がよく伝わる作品として注目が集まった。
■ファッショナブル賞
ファッショナブル賞には、素材にこだわり日常使いしやすいしゃれた作品などが選ばれた。
宇都宮市上野町、主婦斎藤照美(さいとうてるみ)さん(61)は梅雨時も楽しい気分になるようアクリル絵の具で傘を描いた。シンプルだが上品な仕上がりに票が集まった。
シックで清涼感のあるデザインが人気だったのは、さくら市氏家、小池由美子(こいけゆみこ)さん(60)の作品。徳島県の工芸品「阿波正藍しじら織り」と接触冷感素材を使って暑さを和らげる仕様にこだわった。
上三川町ゆうきが丘、看護師宮田智恵(みやたともえ)さん(59)は、米問屋の前掛けと夫の浴衣をリメイクして「粋」を表現。浴衣や和服にも合わせやすく、男女問わず着けやすい点が評価された。
日光市土沢、団体職員半田雅子さん(58)のマスクは「いちご王国」をイメージした作品。マスク全体でイチゴを表したデザインは他になく、審査会場でも目を引いた。
■チャーミング賞
チャーミング賞は、クマをあしらった2作品などかわいらしいデザインを中心に選ばれた。
さくら市氏家、事務員小沢明美(おざわあけみ)さん(58)は、「小学校教諭の息子が着けていたら子どもたちが喜んでくれそう」と笑顔のクマ柄に仕立てた。
親子でコンテストに参加した宇都宮市宮原1丁目、パート国井敬子(くにいけいこ)さん(43)も、夏でも快適な麻布を使ってクマの顔を表現。いずれも「子どもが着けても似合う」「かわいらしい」といった意見が多かった。
真岡市大谷台町、パート塚本涼子(つかもとりょうこ)さん(36)は、外出自粛期間に始めた刺しゅうで華やかなマスクを作った。かわいらしい猫や草花の刺しゅうが審査員の目に留まったようだ。
足利市小俣町、歌手小田えつこさんのマスクは、白地に赤い花が広がるあでやかな見た目とぬらして使える機能性の高さが好評だった。