「平和の礎」前で犠牲者の冥福を祈る参列者=2019年7月、下野市小金井のJR小金井駅西口

 太平洋戦争末期、旧国鉄の列車と小金井駅が米軍機の銃撃を受け31人が亡くなった「小金井空襲」の犠牲者を追悼する慰霊祭が、今年は中止されることになった。下野市小金井の同駅西口で毎年7月に営まれてきたが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した。慰霊祭実行委員長の星野平吉(ほしのへいきち)さん(69)=小山市出井=は「平和の大切さを伝えなければならない戦後75年の節目の年なのに、本当に残念」と話した。

 小金井空襲は1945年7月28日正午ごろ、米軍機3機が旧国鉄小金井駅に向かう東北本線の上り列車に機銃掃射。列車が駅に到着した後も、逃げ出した乗客や、戦没者の遺骨を出迎えるために集まっていた人々を狙って銃撃した。分かっているだけで、死者31人、負傷者70人以上に及んだという。

 慰霊碑「平和の礎」は旧国分寺町時代の98年、同駅西口広場に建立された。慰霊祭はその後、慰霊碑の前で当時列車に乗っていた人や関係者ら約100人が参列して毎年行われるようになった。昨年で16回を数えている。星野さんは、慰霊祭の実行委員長を故若林英二(わかばやしひでじ)元国分寺町長から引き継いだ。

 星野さんは、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言中の5月初旬、事務局や顧問と話し合い「大勢の人が参加する形は難しい。炎天下、高齢者がマスクを着けて参列するのは無理」と判断、中止を決断した。同下旬、関係者に宛て、中止の案内を出した。

 今年の7月28日には、実行委員会のメンバーら代表者が少人数で献花、焼香することにしている。