エスクデロ競飛王

 米黒人男性が白人警官に暴行され死亡した事件を受け、日本とアルゼンチン、スペインの三つの国籍を持つ栃木SCのFWエスクデロ競飛王(せるひお)が人種差別問題に警鐘を鳴らしている。自らの経験を踏まえて6月上旬、「(日本人でも)知らずに差別をしてしまうこともある」などとツイッターに投稿。「みんな同じ人間で、国も肌の色も言葉遣いも関係ない」と身近な問題として捉える必要性を強調した。

 元J1浦和のセルヒオ・エスクデロを父に持ち、中学2年生時にアルゼンチンから来日。2007年に日本国籍を取得し、プロ選手として中国や韓国でもプレーした。

 来日当初は日常会話もできず、テストで悪い点数を取ると友人に笑われた。反論ができず、学校でたばこを吸った犯人にされたことも。大人になってからも、わざと間違った名前で呼ばれることも少なくなかった。

 周囲に差別の意識があったかは分からないが、「とても傷ついたし、悔しかった」。自身に向けられた何げない言葉や振る舞いが“実体のない暴力”となったという。

 日本で長く生活する中、見た目や言語の異なる者に対する「拒否感」のようなものを感じてきた。それだけに今回の問題は人ごととは思えず、今後についても「経験や思いをいろいろと発言していく意味はあると思う」と語った。