サクランボ狩りが始まった「こまき園」。使用された脚立はその都度消毒している=16日午後、宇都宮市

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県の外出自粛要請が19日に緩和され、県内に限定されていた観光分野の誘客目安は「県外からも徐々に人を呼び込む」へと切り替わる。果物狩り体験ができる観光農園では、入場制限を設けるなど感染対策を講じて来園者を受け入れる。道の駅は地場産野菜で作った新商品を投入するなど、自粛期間中に落ち込んだ売り上げの回復を目指す。

 「消毒実施中」

 サクランボ狩りのシーズンを迎えた宇都宮市徳次郎町の「こまき園」には、感染対策の実践を示すのぼり旗が立ち並ぶ。

 園主の駒場騏一郎(こまばきいちろう)さん(76)は「安心できる環境づくりが、誘客につながるはず」と説明する。

 例年なら、首都圏などから1日1千人が訪れる日もある。だが、今季のサクランボ狩りは3密対策として、1時間30人程度に入場を制限する。混雑を避けるため、やむなくサクランボの木を切って待機スペースも確保した。

 入場制限により来園者の減少が見込まれる中、消毒用の次亜塩素酸水の確保など費用はかさみ、経営への打撃は大きい。それでも、減農薬にこだわり手塩にかけた果実を「おいしいと食べてもらうことが励みになる」と話した。

 佐野市植下町の佐野観光農園は、イチゴ狩りシーズンに新型コロナの感染拡大が重なり、例年より1カ月ほど早い4月中旬に閉園を余儀なくされた。

 同園の担当者は「6月からのブルーベリーと桃狩りで少しでも挽回したい」と語る。会員制交流サイト(SNS)での情報発信を強化し、農園の様子や直売所に入荷した野菜などについて投稿を重ねる。

 一方、那須塩原市関谷の「道の駅湯の香しおばら」を運営するアグリパル塩原は、4月の売り上げが前年比約8割減に、5月も約7割減に落ち込んだ。

 君島圭一(きみしまけいいち)社長(69)は「6月に入り客足は徐々に戻ってきた」と話す。地元特産の「塩原高原かぶ」を使った新作スイーツなどで観光客を取り込み、売り上げ回復を図る。