ワイナリーから中継をつなぎ解説を行うソムリエ(左)ら

 【足利】新型コロナウイルス感染症への対応として、ビデオ会議アプリを利用したオンラインのバーチャルツアーがこのほど、田島町のココ・ファーム・ワイナリーを舞台に開かれた。参加者は事前に届けられたワインを味わいながら、画面を通じて醸造現場の見学などを楽しんだ。バーチャルツアーについて、ワイナリー関係者は「新たな情報発信手段の一つとして活用していきたい」と期待している。

 同ワイナリーは隣接する知的障害者支援施設「こころみ学園」が運営。利用者が栽培・収穫したぶどうを使ったワインを製造している。20カ国・地域(G20)の外相会合の夕食会の乾杯酒などに採用された実績もあり、11月の収穫祭には多くの観光客が訪れる。

 今回のバーチャルツアーは東京都世田谷区で料理教室などを手掛け、ソムリエでもある佐藤玲子(さとうれいこ)さん(51)が主催。佐藤さんはこの春、教え子らとの同ワイナリーへのバスツアーを計画していたが、新型コロナの影響で中止に。そこで、ワイナリー側の協力を得て、バーチャル版を企画した。

 バーチャルツアーは5月31日午後に実施した。約2時間で、参加費は8900円。教え子に加えて、会員制交流サイト(SNS)などでも呼び掛け、当日は都内のほか東北や九州から男女40人近くが参加した。

 参加者は事前に同ワイナリーから届けられたロゼのスパークリングワインを楽しみながら、醸造現場やブドウ畑を見学したり、ソムリエによるワインの解説に耳を傾けたりした。アプリの機能を使ってワイナリー側への質問なども可能で、佐藤さんは「(参加者は)画面上で現地に行った気分を味わえたと思う」と語った。

 今後、同ワイナリー自体が主催するバーチャルツアーなどの開催も検討。取締役の池上峻(いけがみたかし)さん(38)は「(バーチャルなら)現地ツアーでは入れないブドウ畑で、栽培状況などの生きた情報も伝えられる」と話し、個人向けの消費喚起にも活用したいとしている。