他人の犯罪を明かす見返りに、自身の刑事処分を軽くしてもらう司法取引を導入した改正刑事訴訟法が1日、施行された。「犯罪解明につながる」と県内の捜査関係者が期待を寄せる一方、学識経験者は冤罪(えんざい)の危険性などを懸念する。弁護士の一部からは未知数の制度に戸惑いの声もあり、さまざまな思いが交錯する中での運用開始となった。

 「暴力団や薬物、特殊詐欺などの事件で効果が期待できる」。県警幹部は、組織的な犯罪への効果に関心を寄せる。主従関係や密告者への報復などが解明の壁となる組織犯罪では「末端のメンバーが逮捕されても、首謀者クラスまで、たどり着くことはまれ」(捜査関係者)なためだ。

 司法取引の対象となった犯罪には、初犯でも実刑判決を言い渡されるケースが多い特殊詐欺など、重い司法判断が下される犯罪も含まれる。そのため起訴取り消しや、より軽い求刑など、見返りの効果に期待する捜査関係者もいる。