街の中心部に位置する宇都宮パルコが撤退したビル

 宇都宮市中心部のファッションビル「宇都宮パルコ」(馬場通り3丁目)の閉店から1年がたった。店舗跡のビルの活用に関心を示す事業者は複数あったが、いまだ後継は決まっておらず、先は見通せない状況にある。今春以降は新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞が拍車を掛けている。

 関係者によると、昨年5月31日の閉店以降、ビルの活用について複数事業者からアプローチがあったという。水面下で交渉が続いていたが、新型コロナの感染拡大により交渉が滞っているとみられる。感染拡大が落ち着けば、交渉が進む可能性もある。

 佐藤栄一(さとうえいいち)市長は5月末の記者会見で「市は地権者と連携を図ってきたが(やりとりが)停滞気味になっている」と述べた。

 地権者側はパルコ閉店の経緯を踏まえ、物販だけでなく、地域との融合性を踏まえた新たな都市機能やサービスを提供する場としての活用も視野に入れる。

 一方、建物はエスカレーターが中央に位置し、窓がない旧来の百貨店特有の構造で、商業以外に活用する場合は改修の必要が出てくると予想される。市は次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西口延伸に伴うまちづくりも念頭に「宇都宮二荒山神社を拠点に栄えた街の成り立ちを考えると、パルコ周辺は街の中心。できる限りの支援をしたい」としている。

 パルコは1997年、市街地再開発事業の一つとしてオープンした。近年は消費行動の変化により売り上げが伸び悩んでいた。