水のうに注水する消防職員

 【小山】昨年10月の台風19号で内水氾濫が発生した思川支流の豊穂川流域の大行寺で12日、浸水防止のための「水のう」を設置するデモンストレーションが行われた。

 水のうは1本の長さ15メートル、高さ45センチのチューブ状のシステム。近くの消火栓から水を注入するだけで10分程度で設置できる。同じサイズを一般的な土のうで対応しようとすると、9~10時間掛かるという。

 この日は流域の自治会代表者らを対象に、消防職員らが2本の水のう設置から水の注入を実演してみせた。市の担当者は「この水のうで昨年と同じ規模の越流を防げるわけではない」と説明。住民らは水圧で膨らんだ水のうを触ったり押したりしながら「洪水で流されたりはしないのか」などと質問していた。

 大行寺自治会長の速水恒美(はやみずつねみ)さん(65)は「4年で2度も水害に遭い、近所には引っ越してしまった人もいる。これで安心というわけではない」と話していた。

 市は15日から、豊穂川の両岸に総延長1300メートルの水のうを設置する。出水期の11月まで設置し、その後撤去して来年6月に再設置する。堤防整備などの河川改修が終了する2025年度まで毎年繰り返す。市の担当者は「水のうはその間の緊急排水強化対策。道路が狭くなるなど住民にはご迷惑を掛けるが、理解いただきたい」と話していた。

 一方、台風19号で堤防から越水が発生した思川の間中橋下流は、既に両岸に水のうが設置されている。