新型コロナウイルス感染拡大を受け、首都圏の小学校で日光市内への修学旅行を見送る動きが広がっている。下野新聞社が10日までに東京23区と首都圏5政令市に取材したところ、本年度に日光訪問を予定していた18市区のうち6市区が中止を決めていた。春の予定を秋以降に延期して実施を目指す市区も多いが、宿泊施設の確保が難しい例もあり、定番の“日光詣で”を断念する学校はさらに増える可能性がある。

 23区と5市の教育委員会に、市区立小学6年生の修学旅行(23区は移動教室)先を確認し、日光の場合は対応状況を取材した。

 中止を決めたのは品川区、世田谷区、渋谷区、川崎市など6市区。いずれも全校が日光を訪れる予定だった。移動時や宿で「3密を避けられない」(北区)との理由が多い。首都圏は中学受験が盛んなため「インフルエンザも流行する冬場への延期は困難」(板橋区)との意見もあった。

 江東区や、9割の学校が日光を訪れる相模原市など7市区は延期して実施を目指す。このうち、29校中19校が日光訪問を予定していた新宿区は宿が確保できず、日光を訪れる学校数を減らす方針。宿泊数の短縮を既に決めたケースも目立つ。「東京からの集団の移動を快く受け入れてもらえるのか」(豊島区)と、地元の住民感情に配慮し悩む声もあった。

 「検討中」は3市区。21校中9校が日光訪問を予定する中野区は「中止を含めて検討中」とした。

 日光が最も多い行き先となっている横浜市は判断を各校に委ねているが、「学校側から中止との報告も入っている」という。

 文部科学省は修学旅行について「中止ではなく延期」で検討するよう要請している。一方で日本修学旅行協会(東京都)によると、延期の日程が秋以降に集中するため宿の予約が混み合うケースが目立ち、授業日数の確保や自治体内での不公平感への配慮などを理由にした中止もあるという。

 日光は首都圏の学校に人気の修学旅行先で、春から秋を中心に年間約38万人の児童生徒が訪れるとされる。