宇都宮市から財政的、人的支援を受ける公益財団法人「グリーントラストうつのみや」に有期契約職員として勤務していた40代女性が雇い止めされたのは違法だとして、同法人に雇用関係の確認などを求めた訴訟の判決が10日、宇都宮地裁であった。伊良原恵吾(いらはらけいご)裁判長は「人員整理を目的とした雇い止めには、客観的な合理性も社会的な相当性も認められない」とし、女性に雇用上の権利を認め、同法人に未払い賃金の支払いを命じた。

 女性の雇い止めは2018年3月で、希望すれば無期契約に切り替えることができるルールが適用される直前だった。争点は、女性がこのルールの対象か、同法人の雇い止めに合理的な理由があったかどうかだった。

 伊良原裁判長は、女性が過去5回契約を更新したことや、当初予定していた最大3年間の雇用期間を超えていたことなどを引き合いに、「雇用継続に対する期待を保護する必要性は高い」と判断した。

 一方、法人側は市の助成額に左右される財政上の不安定さなどを理由に、雇い止めの妥当性を主張。判決は「(女性の無期転換をしないよう求める)市の指導を受け入れ、人員整理的な雇い止めを実行した。手続きの妥当性を検討した形跡は認められない」と退けた。

 判決後、原告の女性は報道陣に「主張が全部認められよかった。仕事に復帰させてほしい」と話した。

 同法人は下野新聞社の取材に対し、「主張が認められず残念。判決を読んだ上で対応を検討したい」とした。判決で雇い止めを指示したと指摘されたことについて、市の外郭団体を担当する市経営管理課は「雇用に関する直接的な指導はしていない」と否定した。

 ◆無期転換ルール 2013年4月の改正労働契約法で新設された有期契約労働者保護のルール。適用は18年4月からで、同じ勤務先で5年を越えて勤めれば、無期契約に転換できる。使用者は断ることができない。5年直前の雇い止めが「無期転換を意識していた」として、無効とされた判例もある。