コウノトリのひなを見るため集まった人たち=7日午後4時30分

親鳥に向けてくちばしを開くコウノトリのひな(左下)=7日午後2時15分、小山市下生井(超望遠レンズ使用)

コウノトリのひなを見るため集まった人たち=7日午後4時30分 親鳥に向けてくちばしを開くコウノトリのひな(左下)=7日午後2時15分、小山市下生井(超望遠レンズ使用)

 小山市下生井の渡良瀬遊水地に営巣するコウノトリのひな誕生が発表された8日、小山市は早速ひなの愛称公募を始めるなど市役所がお祝いムードに染まった。研究機関からもお墨付きを得た今回の事例は、官民の協力があってこそ実現した。渡良瀬遊水地の湿地再生のシンボルとして語り継がれることになりそうだ。

 栃木、群馬、茨城、埼玉の4県4市2町にまたがる渡良瀬遊水地が湿地保護のための国際条約「ラムサール条約」に登録されたのは、2012年。小山市は登録推進の先頭に立った。

 8日の記者会見で大久保寿夫(おおくぼとしお)市長は「コウノトリの餌場となる環境に優しい農業の推進、人工巣塔の設置など営巣環境の整備に取り組んできた。この日がこんなに早く来るとは」と、満面の笑みを浮かべた。

 国内有数のコウノトリ研究機関、兵庫県立コウノトリの郷公園の江崎保男(えざきやすお)園長は「東日本に繁殖地が拡大するのはコウノトリの野生復帰にとって画期的。大変喜ばしい」とコメント。2歳の雌が産卵した卵のひなだったことにも触れ「鳥類学的にも貴重な事例」とした。

 ラムサール条約登録に尽力した小山市の市民団体「ラムサール湿地ネットわたらせ」代表の楠通昭(くすのきみちあき)さん(82)は「遊水地を囲む4市2町の協力があってこそ、この日を迎えられた。みんなで祝いたい」と喜ぶ。

 ひなは、ふ化から約60日で巣立ちを迎える。ボランティアで観察を続ける「コウノトリ見守り隊」代表の平田政吉(ひらたまさきち)さん(72)は「カメラを持って巣に近づこうとする人も中にはいる。市と連携して、近づかないで観察するよう呼び掛けたい」と話していた。