生活福祉資金の特例貸付の申請を受け付ける宇都宮市社会福祉協議会の職員=5日午後

 生活困窮者を支援する生活福祉資金特例貸付制度で、新型コロナウイルスの影響による県内の申請額が約9億3千万円(5月末時点)に上ることが5日までに、県社会福祉協議会や県への取材で分かった。申請件数は約4500件。受け付け開始から約2カ月たつが、1日平均の申請数は依然として100件程度と高止まりの状況が続く。特に非正規雇用者の申請が増えており、感染症拡大で生活への影響が深刻化している実態が浮き彫りとなっている。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 特例貸付制度は感染症の影響で休業や失業し、収入が減少した世帯が対象で、「緊急小口資金」と「総合支援資金」の2種類がある。緊急小口資金は1世帯につき最大20万円の貸し付けを実施。総合支援資金は2人以上の世帯なら月最大20万円、単身世帯なら同15万円を原則3カ月間貸し付ける。いずれも定められた期間内に返済すれば無利子となる。

 県内では新型コロナウイルスによる生活困窮も対象に含め、3月25日から、全25市町社協で受け付けを始めた。5月末時点で、緊急小口資金の申請が約4千件、申請額は約6億7千万円。総合支援資金は約500件、約2億6千万円分の申請があった。

 貸し付けの決定や送金を担う県社協によると、当初はタクシー運転手やホテル・旅館の従業員、飲食業関係者の申請が中心だったが、最近では製造業の派遣社員やパートからの申請が増えている。

 緊急小口資金を利用したが、それでも足りずに総合支援資金を申請する人も多い。担当者は「申請数は高止まりの状況で、あらゆる業種に影響が広がっている」と指摘する。

 県内で申請が最も多い宇都宮市社会福祉協議会では、1日50~65件ほどの申請がある。5日も五つある相談ブースが全て埋まり、職員が感染防止のシート越しに対応していた。

 現在は非正規雇用の外国人の申請が増加傾向にあるという。担当者は「申し込みが増え、窓口やスタッフを増やした。受ける方も手いっぱいの状況が続いている」としている。