高藤直寿選手

インターハイで2連覇し、出身地の下野市を表敬訪問する高藤選手(中央)=2011年8月

高藤直寿選手 インターハイで2連覇し、出身地の下野市を表敬訪問する高藤選手(中央)=2011年8月

 インターハイの中止が決まり、会員制交流サイト(SNS)を通じて高校生から「何か一言ください」という声が届きます。目標にしていた試合がなくなるというのはとてもつらいことだと思いますし、気持ちの整理をつけるのはなかなか難しいことだと思います。

 僕も高校3年生の時、東日本大震災のために選手権大会がなくなり、苦しい思いをしました。でもそこで自分の柔道は終わりではなく、最終目標は五輪での金メダルだったので何とか乗り越えられました。

 今回は新型コロナウイルスという未知のものが相手ですから、体を動かせる環境になってから気持ちを切り替えていくというのも一つの手段だと思います。一回ゆっくり休んで考えるのもいいかもしれません。

 高校時代は死に物狂いで努力しましたし、みんなが遊んでいる時間に練習しました。僕にとって、まさに青春の時間でした。今の高校生がその成果を発揮できる舞台がなくなったということは信じられません。気持ちのやり場がないですよね。

 各競技連盟には早めに代替大会を検討してほしいです。そういう意向だけでも伝わると、高校生たちの気持ちは違うと思います。

 皆さんが感じた無念さや悔しさは今後、絶対に力になります。本当に落胆していることと思いますが、ここで諦めてしまったり、投げやりになってしまったりしたら、今までやってきたことが全て無駄になってしまいます。再びこつこつとやっていくことがその先につながっていくと思いますので、一緒に頑張っていきましょう。

 ◆プロフィル 1993年、下野市(旧国分寺町)生まれ。東海大相模高-東海大。パーク24所属。2016年リオデジャネイロ五輪男子60キロ級銅メダリスト。