「ジャパン・サケ・プラットフォーム」に参画したせんきん=さくら市

松井酒造店の純米吟醸「アマビエ」

「ジャパン・サケ・プラットフォーム」に参画したせんきん=さくら市 松井酒造店の純米吟醸「アマビエ」

 新型コロナウイルスの感染拡大により飲食店での酒類需要が落ち込む中、県内の酒蔵が需要掘り起こしに動きだしている。せんきん(さくら市)は全国の酒蔵と地酒情報発信の新たな組織を立ち上げ、日本酒の浸透を進める。初夏、愛飲家の試飲イベントを催してきた第一酒造(佐野市)は分散開催に切り替えた。松井酒造店(塩谷町)は、疫病よけで伝わる妖怪「アマビエ」ラベルのコロナ禍収束祈願酒を発売した。

 せんきんの薄井一樹(うすいかずき)社長によると、地酒の情報発信、流通は酒蔵、地酒専門店、飲食店のトライアングルの関係だったが、コロナ禍で飲食店が打撃を受け、関係が崩れたという。「酒蔵は消費者へのPR活動を地酒専門店に頼っているが、今回、それではいけないことが分かった」と薄井社長。

 せんきんなどが創設した新組織「ジャパン・サケ・プラットフォーム(JSP)」は、さまざまな情報が氾濫する中、蔵元が商品や、特約店などの確かな情報を電子媒体で発信し、消費者が求める日本酒を購入しやすくする。杜氏(とうじ)を交えたオンライン飲み会や蔵見学など消費者交流イベント情報を提供するほか、オンラインによる利き酒、醸造講座などを開く。

 新政酒造(秋田市)の佐藤祐輔(さとうゆうすけ)社長が代表に、薄井社長が幹事に就き、現在26社が参加する。

 第一酒造は例年、酒質を確認する「初呑(の)み切り」に合わせ、愛飲家に試飲投票してもらうイベント「厳選会」を開催している。最高得票酒に投票した全員の名前を裏ラベルに入れた「こだわりの厳選酒」を販売してきた。今回は3密を避け、6月13~21日の都合のよい時間に随時来てもらう形式で実施する。

 松井酒造店は純米吟醸酒のラベルにアマビエをあしらい、その姿が広がるよう首掛けシールも付けた。アマビエはその姿を描いたものを広めれば、疫病よけになるという江戸期からの伝説がある。180~1800ミリリットルの4種。特約店向けに発売した。

 松井宣貴(まついのぶたか)社長は「たくさんの人に広めてもらい、コロナ禍収束を願いたい」と話している。