感染予防のため、マスクを着用し、間隔を空けながら素振りする小山高剣道部の3年生部員ら=同校

 県内の高校や多くの中学校で1日、部活動が再開した。特別な思いでこの日を迎えたのは、新型コロナウイルスによる全国高校総体(インターハイ)や全国中学大会の中止に伴って引退の時期を決められずにいた3年生。一部の選手たちは、冬の大会や代替大会などを新たな目標に据え、受験と両立しながら競技を続ける道を選んだ。

 「こんなに長く防具や胴着を身に着けない経験は初めて。懐かしい気分」。小山高剣道部3年の宇賀神直也(うがじんなおや)は、気持ちの高揚を感じながら練習場所の格技場に足を踏み入れた。

 今春には男子団体で2年ぶりの全国選抜大会に出場する予定だった。しかし、新型コロナの影響で同大会もインターハイも中止になり、日本一への挑戦は幕を閉じた。

 ただ、剣道は全国選抜大会に出場予定だった男女各64校を集めた代替大会を12月に開催する動きがある。小山高では3年男子11人のうち5人が、その晴れ舞台に向けて引退を先延ばしすることを決断。宇賀神もその一人だ。女子も鹿児島国体の県代表メンバー候補4人が残った。藤田千奈(ふじたゆきな)は「一時は気持ちが途切れそうになったが、大会があると信じて練習する」と表情を引き締める。

 栃木高サッカー部は例年、インターハイ県予選を最後に引退するのが通例だが、今年は3年生部員20人の約半数が、冬の選手権大会まで続ける意思を示しているという。

 中でもDF松本一輝(まつもとかずき)の思いは人一倍だ。佐野日大高にPK戦の末に敗れた2月8日の県新人戦決勝で、5人目のキッカーとして失敗した松本は、その責任を背負い込んできた。

 県内屈指の進学校だけに、現役続行の決断に一時は母親も反対したが、「このまま引退したら大人になって後悔する」と説得。「保育園の頃からサッカーを支えてくれた親への恩返しの意味もある。覚悟を持って臨む」と強い決意を示した。

 中学年代も思いは同じ。赤見男子バスケットボール部の神山歩己(かみやまあゆき)主将は「何もないまま引退では悲しい。集大成の場として、どんな形でもいいので代わりの試合がやりたい」と、代替大会の開催を希望。新型コロナに翻弄(ほんろう)されたやるせなさを晴らす場ができることを信じ、それをモチベーションに変えて部活再開の日を迎えた。