感染予防策のシールドをバスの座席に取り付けるはやぶさ交通の従業員=1日午前、宇都宮市

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う県の外出自粛が緩和され、学校の再開のほか県境をまたぐ移動が1日、可能になった。県内企業でも経済活動をじわりと活発化させる動きが広がり、東京都内の事務所の再開や県外出張の容認など、営業活動を“通常”に近づける動きがあった。社員証にその日の体温を表示するなど「新しい生活様式」を意識し、再起に向けて踏み出し始めた事業所もある。

 電子機器受託サービスの大日光・エンジニアリング(日光市)は同日、閉鎖していた東京、名古屋の事務所の業務を再開し、約1カ月半ぶりに社員が出勤した。今後も可能な範囲でテレワークを続けるが、同社総務部は「お客さまからの要請もあり、これ以上迷惑を掛けられないと(開所を)判断した」と話した。

 自動車部品製造のムロコーポレーション(宇都宮市)は、4月1日付で発令済みの人事異動について、三重県の工場など転居を伴う異動の手続きを再開した。新型コロナの影響で実際の転居や勤務は見送っていた。

 歯科機器製造のナカニシ(鹿沼市)は、原則禁止としていた国内出張を、管理職の判断で不要不急以外の出張もできるよう緩和した。エンジニアリング商社の藤井産業(宇都宮市)は感染防止策として半日出勤としていた一部業務を終日出勤できるように緩和した。

 営業再開に伴い“ひと工夫”する企業も出ている。

 「本日の体温 36・4℃」。おしぼりのレンタルや販売を手掛ける三協(さくら市)は、営業マンの社員証にその日の体温を表示した上で、5月下旬から外回りの営業を再開した。

 顧客によっては対面での営業活動を敬遠されてしまう可能性もあるため、体温表示で不安の払拭(ふっしょく)を図る。添田泰弘(そえたやすひろ)社長は「新規契約していただけるよう努めたい」と再起に力を込めた。

 はやぶさ交通(宇都宮市)は観光バスの座席の一つ一つに飛沫(ひまつ)防止のビニール製のシールドを取り付ける対策を始めた。

 大型バスのシールドは縦75センチ、横98センチで2人掛けの座席の前面を覆う。吸盤で天井に設置する方式で、1台で22枚を取り付けた。運行ごとにシールドを新しく張り替える。5月中旬に導入し数件の利用があった。塙尚恵(はなわひさえ)社長は「できる限り安心してバスに乗ってもらえるよう努力している」と話している。