新型コロナウイルス感染拡大の影響で先月は、全国で県境をまたいだ移動が自粛となっていた。こうした中で先日、出身地などに帰省して子どもを産む「里帰り出産」を断念した妊婦のニュースを見た。女性は「夫以外に頼れる親族のいない居住地で出産するのは、産後のサポート面などで不安が大きい」と口にしていた。

 そもそも出産後は産褥(さんじょく)期と呼ばれ、母親の心身は極限状態にある。精神が不安定な中、十分なサポートが得られず乳児と二人きりになる場面が増えれば、イライラしたり落ち込んだりすることも多くなる。自然と産後うつのリスクも高まるのではないだろうか。 

 緊急事態宣言は解除されたが、政府は「東京都などへの移動は慎重に」と呼び掛けている。こうした状況の中で、家族やパートナーはもちろん行政も、妊婦や出産直後の女性の心身の状況を、より一層気にかけてほしい。