仏壇に手を合わせる愛美利ちゃんの両親=宇都宮市内

 宇都宮市の認可外保育施設「といず」=廃止=で2014年7月、宿泊保育中の同市、山口愛美利(やまぐちえみり)ちゃん=当時9カ月=が死亡した事件で、両親が宇都宮市の指導監督責任などを問い損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、宇都宮地裁で言い渡される。愛美利ちゃんが亡くなる約2カ月前に、施設の虐待通報を受けた宇都宮市の対応に責任があったかが主な争点だ。

 両親は訴訟で、宇都宮市と施設側に計約1億1400万円の損害賠償を求めている。両親は子どもをひもで縛り放置するといった施設の不適切な保育内容を知らせる匿名通報があったにもかかわらず、市が事前通告なしの特別立ち入り調査を怠ったと主張。愛美利ちゃんの死亡事故につながる因果関係があったと訴えた。

 一方、通告なしの立ち入り調査を怠ったとする両親の主張に対し、市は施設責任者が不在だと調査ができないため確認の電話をしたにすぎないなどと適法性を主張。「違法行為を発見できなかったことはやむを得なかった」などと反論した。当時担当した複数の市職員は証人尋問で「最大限やれることをした」などと答えた。

 15年1月の提訴から、5年5カ月がたった。判決を控えた両親は下野新聞社の取材に「愛美利の死を無駄にしないため、日本の子どもの未来のためにも、全国の行政に警鐘を鳴らすような判決が出てほしい」と話した。

 刑事裁判では16年12月、元施設長木村久美子(きむらくみこ)受刑者(63)の保護責任者遺棄致死罪などが確定している。