「リブートエア」のデモ機を製造するアイシン電子工業=宇都宮市

除菌空気清浄機「リブートエア」

「リブートエア」のデモ機を製造するアイシン電子工業=宇都宮市 除菌空気清浄機「リブートエア」

 宇都宮大発ベンチャーのマロニエ技術研究所(宇都宮市陽東7丁目、中井俊一(なかいしゅんいち)社長)が開発した光触媒による除菌空気清浄機「リブートエア」シリーズの量産化が近く始まる。インフルエンザウイルスの無害化が証明された空気清浄機が、新型コロナウイルスの感染拡大により注目され、注文が相次いでいる。

 光触媒の清浄機は他メーカーでも製品化されている。ただ、「社会貢献できるものにするため、除菌能力は強力で差別化されている」(中井社長)ことから、新型コロナの感染拡大に伴い医療機関をはじめ、商社やホテル、自動車用品販売店などから3千台以上の引き合いがある。

 このため、製造を委託されているアイシン電子工業(同市石井町、落合四郎(おちあいしろう)社長)が量産化に乗り出す。栃木銀行によるビジネスマッチングで、昨年7月からリブートエアの製品化に着手した。

 約30~50平方メートル程度の業務用をはじめ、約16平方メートル前後の家庭用や約10平方メートル程度の個室用、机上や車内に置く携帯用の4タイプを開発した。価格帯は3万~35万円程度。

 ただコストを抑えるため、海外製に依存する部品の調達難から量産化が遅れていた。落合社長は「何とか(早期に)部品を調達し、県産製品として地元から提供していきたい」と話す。

 リブートエアは、内部にある円筒形浄化装置の内側が日本製鉄と共同開発した「高活性エコチタニア酸化チタン板」で覆われ、中心部に紫外線(UV)を放つランプを配した構造。酸化チタンはUVを受けると、光触媒反応が起き、ウイルスや細菌などを酸化分解する「活性ラジカル(遊離基)」が発生して死滅させる仕組みだ。

 国立病院機構仙台医療センターのインフルエンザウイルス失活効果試験では、ウイルス数が20分後に1千分の1以下となり、空気の無害化が証明されている。

 また、人工呼吸器から排出される感染患者の呼気の無害化も期待され、大手医療機器メーカー向けに開発を進めている。