日光東照宮の拝観券受取場所に設置された囲い=5月中旬、日光市山内

 新型コロナウイルスの影響で拝観停止中の日光市山内の世界遺産「日光の社寺」は来月1日に予定する再開に向け、感染防止対策を進めている。消毒液の配備などのほか、人との接触を減らすためにさまざまな工夫を凝らす。緊急事態宣言の全面解除で人の移動の増加が見込まれることから、万全の対策を講じて参拝者を迎えようとしている。

 日光東照宮は表門の拝観券受取場所にビニールシートなどで作った囲いを設置した。警備員が囲いの中に入り、拝観券を確認するという。参拝者の間隔を空けるための目印も各所に設けた。担当者は「職員の安全を確保し、参拝者にも安心してもらいたい」と説明する。

 日光山輪王寺は券売所などにビニールカーテンを設置したほか、祈祷(きとう)受け付けや御朱印受け渡しなどでも人との接触を極力減らすとしている。職員らが装着するフェースシールドなどの準備も急いでおり、「できうる対策をしっかり行いたい」と今井昌英(いまいしょうえい)執事長。

 日光二荒山神社は今月25日に開山祭を執り行い、本格的な登山シーズンを迎えた。男体山登山口のある奥日光の同神社中宮祠では従来、登山者がノートに名前や住所などを記載するが、今年は感染リスクを減らすため、用紙に記載して提出する方式に変更。登山案内も口頭ではなく、看板などで呼び掛ける。

 緊急事態宣言は全面解除となったが、参拝者数を見通すのは難しいという。社寺関係者は「6月はもともと少ないため、それほど混雑することはないと思う」とするものの「想定以上に混雑した場合は施設内の人数を制限する可能性はある」と話す。

 東京などからの来訪は自粛が求められているが、別の関係者は「社寺の性質上、参拝を希望する人を地域で限定することは困難なので、3密にならないよう対策していく」とした。