分散登校してくる生徒を自主的に出迎える黒羽高の教員たち。地域の行事が相次ぎ中止となり、特色の地域連携事業は実施が難しい状況だ

 【大田原】地域参加と社会貢献を教育の特色に掲げる黒羽高で、地元の活動に生徒がボランティアで参加する地域連携事業の実施が難しい状況となっている。新型コロナウイルスの影響で恒例のイベントや各種活動が相次ぎ中止となっているためだ。地域との交流を通じて生徒が活躍し、成長できる事業だけに同校は、今後の取り組み方を模索している。

 地域連携事業は昨年度、27事業に上り、ボランティア部、黒羽太鼓部、吹奏楽部、華道部などの部単位や生徒会の活動として、多くの生徒が関わってきた。

 黒羽小の益子浩之(ましこひろゆき)教頭(59)は「運動会の手伝いは保護者も少ないので助かった。学習ボランティアでは児童の参加が多い。ありがたかった」と振り返る。

 しかし新型コロナ感染拡大防止のため、来場者誘導やごみ拾いをする4月の「全国ご当地キャラクター大集合フェスタ」、5月の黒羽小運動会、6月の「くろばね紫陽花(あじさい)まつり」、7月の同校学習ボランティアも相次ぎ中止。他の事業も現時点で実施は不透明だ。

 黒羽高の宮腰健庄(みやこしけんしょう)教頭(57)は「紫陽花まつりでは三味線や太鼓、吹奏楽の演奏をさせてもらっていた。黒羽小の運動会では運営も担っていた」と説明。その上で「生徒を鍛えてくれる、学ばせてくれる地域の行事がなくなったことは、本校の特色の一つを失っている状態だ」と残念がる。

 こうした現状に生徒会長の3年中村聖恋(なかむらせれん)さん(18)は「人と接すること、外で何かをすることが今、できない。黒羽高生として地域で何ができるのか見詰め直す時間にし、コロナが落ち着いたら今まで以上のことができれば」と前向きだ。

 昨年6月に適正規模未満でも学校を維持する「特例校」となった同校。半田好男(はんだよしお)校長(58)は「黒磯駅からの市営バスの4月からの運行、卒業生からのマスク2千枚寄贈など地域の支援で成り立っている。地域貢献へ新たな連携事業の方法を考えたい」としている。