開票作業を行う選管職員ら=24日午後9時5分、鹿沼総合体育館

 24日投開票が行われた鹿沼市長選は、現職の佐藤信(さとうしん)氏(73)が新人の石下友彦(いしげともひこ)氏(47)との一騎打ちを制し、4選を飾った。新型コロナウイルスの感染拡大から投票率の低下を懸念していた両陣営をはじめ、市選挙管理委員会事務局なども、投票率55・59%と前回を1・55ポイント上回る結果に驚いた。高率となった要因を探った。

 告示後の20日、両陣営はともに投票率を48~45%と読み、50%には届かないと踏んでいた。新型コロナをマイナス材料としていたが、実は告示前の14日に県の緊急事態宣言が解除され、有権者の意識は少しずつ変わっていた。50代の商工関係者は「棄権は全く考えていなかった」と話す。

 市政の継続か刷新かを問う一戦。新人石下氏が小中学校の給食2年間無料などを掲げ「坂道を転げ落ちるより、上を向いて…」とアピールすれば、佐藤氏は新型コロナ対策で協力金、助成金などを打ち出し「健全財政あっての市政運営」と応酬、両陣営の後援会、支持者は盛り上がった。

 予兆は、既に期日前投票にもあった。今回は6日間で1万3963人が投票し、投票率を前回の10・04%から17・31%に押し上げた。ただ、選管事務局は「期日前が浸透した。また3密を避けるためで、投票当日はどこまで伸びるか」と半信半疑だったという。

 24日は午後6時の段階で前回の投票率と並んだ。その時、佐藤氏は「どういう人が投票所に足を運んだか読めず、不安だった」という。また石下陣営の事務長を務めた増渕靖弘(ますぶちやすひろ)市議長は「投票率が読めなかった。2万票を取れば勝てると思い、実際に追い上げ2万票をクリアしたが、佐藤市長には2万4千票の堅い票があった」と振り返る。

 投票率アップを目的とした、かぬま選挙割実行委員会メンバーは「今回で通算9回目の取り組み。一定の役割は果たせたと思う」と話す。

 これまでの鹿沼市長選は、勝ち馬に乗り大差がついてきた。過去14回の選挙で今回の4223票差は過去最少となった。歴史的な激戦だったと言える。