新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の中止が決まった全国高校総体(インターハイ)の代替大会の開催について、県高体連の渡辺伸夫(わたなべのぶお)理事長は25日、下野新聞社の取材に対し「感染を含めたさまざまな課題がある中で、最優先は生徒の安全」と述べ、開催に慎重な姿勢を示した。3年生の救済策を模索する動きは全国に広がっているが、本県の場合は2017年の雪崩事故を受けて安全対策を徹底している段階でもあり、実現のハードルは高い。

 「他県で動きがあるからといって、簡単に『できる』とは言えない」。渡辺理事長は苦しい胸の内を明かした。インターハイの中止決定後、県高体連は各競技専門部にアンケートを実施。スキーとスケートを除く33の専門部の大半が感染防止の観点から、代替大会の開催を不安視する意見を出したという。

 渡辺理事長は代替大会を開催する場合の課題として、新型コロナウイルス感染の第2波への懸念、練習不足による生徒のけがや熱中症のリスク、夏休みの短縮が予想される中での大会日程確保の難しさ-などを挙げた。

 県高体連が慎重な姿勢を見せる背景には、那須町の国有林で登山講習会中に雪崩に巻き込まれ、大田原高の生徒と教員の8人が死亡した雪崩事故がある。関係者にとって二度と同じ悲劇を繰り返さないための教訓となっているだけに、渡辺理事長は「3年生に試合をさせてあげたい思いは誰もが持っている。ただ、予見できる事象には適切に対応しなければならない」と生徒の健康を第一に考える基本方針を堅持する考えを改めて示した。

 代替大会を開催するかどうかについて、県高体連は6月4日に理事会を開いて協議する予定だという。