自宅で同居する弟の首を切り付け殺害したとして、殺人罪に問われた壬生町福和田、無職大橋重信(おおはししげのぶ)被告(79)の裁判員裁判初公判が30日、宇都宮地裁(二宮信吾(にのみやしんご)裁判長)で開かれ、被告は「みんな間違っている」と起訴内容を否認した。弁護側は「殺害の動機はなく被害者が自殺した可能性がある」と無罪を主張した。

 起訴状などによると、2017年10月13日午後7時半ごろ、自宅で弟の無職武(たけし)さん=当時(74)=の首を包丁で切り付け殺害した、とされる。

 検察側は冒頭陳述で、被告は17年7月から武さんと同居を始めたが、「被告が注意しても酒やたばこを減らさず度々口論になっていた」と説明。事件当日も武さんから酒をせがまれたことに憤慨し、背後から包丁で首を切ったと主張した。

 また武さんの右手には抵抗した際についたとみられる防御創があったと指摘し、自殺の可能性を否定した。

 一方、弁護側は「身体が不自由だった武さんを被告が引き取り、酒やたばこを控えるよう体調を気遣っていた」とし、殺害する理由がないことを強調。武さんが頻繁に「死にたい」と言っていたほか、事件当日の被告の衣服には少量の血液しか付着していないとして「自殺の可能性がある」と主張した。