就労支援施設に弁当を届ける飲食店従業員ら

 【那須塩原】新型コロナウイルス感染拡大防止のため休業を余儀なくされている上厚崎の飲食店「旬味酒彩れん」の従業員が週3回、市内の障害者就労支援施設に無償で手作り弁当を届けている。新型コロナの影響で行き場を失った食材を有効活用し、仕事がなくなった施設利用者らに提供。同店は「縮こまるだけでなく、それぞれが何かできることをしていく流れになればうれしい」としている。

 同店代表の原田哲典(はらだてつのり)さん(64)は4月初めの臨時休業直後、取引のある農家や卸業者から納入先がなくなった食材について相談を受けた。食材を安価で引き取り、営業はできなくとも「従業員の料理人としてのモチベーションを維持したい」と思案し始めた頃、従業員からも「無料で弁当を作って届けたい」と提案があった。

 同店系列のゆば工房の清掃業務委託などで交流があったことから、渡辺の同施設「ナチュラ」に弁当を届けることにした。同工房の休業で働き場を失った施設利用者や家族、スタッフのため、心を込めて作り続けている。発案者で同店の福田和則(ふくだかずのり)さん(44)は「こういう時はお互いさまだから」と話す。

 今月18日午後には同店従業員らが鳥のつくね、きすの天ぷら、たけのこご飯など作りたての夕食用弁当約30人分を届けた。施設利用者らは満面の笑みで「いつもありがとう」と感謝し、栽培している無農薬野菜やドライフラワーなどをお礼として従業員らに手渡した。

 国の雇用調整助成金を申請して休業中の同店は6月に再開する予定。「自分たちも含めた『助けられる側』を新型コロナでより意識するようになった」と話す原田さんは「弁当作りは再開後もできる限り続けたい」としている。