佐藤氏と石下氏

佐藤氏と石下氏

 【鹿沼】任期満了に伴う市長選は、24日の投票に向け終盤戦に入った。いずれも無所属で、元国会議員政策秘書の石下友彦(いしげともひこ)氏(47)=自民、公明推薦=と、4選を狙う佐藤信(さとうしん)氏(73)が激しい選挙戦を展開している。佐藤氏が現職の強みを生かして先行、出馬表明が遅れた新人の石下氏が猛追しているとみられる。基礎票の上積み、無党派層の取り込みに力を入れている両陣営は「新型コロナウイルスの影響がどの程度出るのか」と投票率にも気をもんでいる。

 佐藤氏は民主党県議から市長にくら替えした際に「市民党」を標榜(ひょうぼう)。立憲民主党県連幹事長の松井正一(まついしょういち)県議、湯沢英之(ゆざわひでゆき)県議、市議9人の後援会ほか、連合栃木、出身母体の市職労などが主体となり選挙戦を展開する。

 農協関係や商工団体などからも多くの推薦を得ており、自民、共産支持者への浸透も図っている。

 新型コロナ対策では協力金、助成金、給付金を次々に打ち出し現職の強みを発揮。街頭では財政を健全化した3期12年の実績、堅実な市政運営を強調、陣営は支持者への電話作戦で最後の票固めを行う。

 「変えよう鹿沼」を合言葉に石下氏は自民党鹿沼支部長の小林幹夫(こばやしみきお)県議、自民、公明の市議が支持。出遅れを取り戻すため、ポスティングに力を入れてきた。

 政策は未来への投資。災害復旧のスピード化、さらに新型コロナ対策に関連し、2年間の給食費無料、地元企業の赤字対策などを挙げ、告示後は1日10回を超える街頭演説をこなす。47歳の若さと秘書時代からの人脈をアピールしている。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」や会員制交流サイト(SNS)を駆使、シリーズ化して政策を細かく説明、効果を期待している。

 両陣営から「新型コロナでこれまでの選挙とは違う」「投票率がどの程度下がるのか」という声も聞かれ、無党派層、若年層の票の取り込みが鍵となる。前回の市長選は投票率54・04%、昨年の市議選は51・76%だった。「今回は47%~45%まで下がるのでは」と予想する選対幹部もいる。

   ◇      ◇

 今回の市長選は12年ぶりの一騎打ち。過去18回の市長選で一騎打ちは13回を数える。現職対新人の一騎打ちは過去9回あり、現職の7勝2敗。無投票は4回、三つどもえ選挙は4年前の1度だけだ。

 過去最多の当選は7期を務めた古沢俊一(ふるさわとしかず)氏で、次は前回、“3期目のジンクス”に挑み当選した現職の佐藤信(さとうしん)氏。

 最年少の市長選立候補者は、1986年の加藤緑平(かとうりょくへい)氏で29歳。次は66年の新井喜久雄(あらいきくお)氏の30歳。7選した古沢氏の初陣は47歳だった。最高齢の市長は92年、71歳の福田武(ふくだたけし)氏が立候補し当選、2期、79歳まで務めた。

 投票率が最も高かったのは6選目の古沢氏に市長選2度目の新井氏が挑んだ82年で87・7%という高率だった。