NPB入りを目指す若手選手が集う栃木GB。スカウトに実力を披露する機会を失われている状況に選手は危機感を感じている=3月、茨城県結城市

 新型コロナウイルス感染拡大で、公式戦を開催できない状況が続く野球界。上のステージを目指すアマチュアの選手にとっては、アピールする場が日に日に失われていることになり、11月5日に予定されている日本野球機構(NPB)ドラフト会議への影響も必至だ。NPB入りを目指す本県関係選手からも戸惑いの声が上がっている。

 「今年が一番のチャンスと思っていた」と声を落とすのは独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに所属する新山進也(にいやましんや)内野手。3年目の20歳は昨季、チーム屈指の長距離砲として台頭。9月にはNPBのスカウト向けにプロ球団のファームチームと試合をするBCリーグ選抜の一員にも選ばれていた。

 しかし、さらなる飛躍を目指して迎えた今季はリーグ戦開幕の見通しがいまだ立たない状態。「NPB入りのためにはスカウトに見てもらうしかない。試合ができないと話にならない」と苦しい心境を吐露した。

 最速151キロの本格派右腕として注目される明大の4年入江大生(いりえたいせい)(作新学院高出)も「アピールする場がないのは残念」と語る。6月に大学日本代表の一員として参加する予定だったハーレム国際大会(オランダ)、2連覇を目指した8月の全日本選手権は相次いで中止。「有力選手の中で自分が今、どのレベルにいるか確かめたかった」と成長の機会を逃したことを悔やむ。

 一方、元ロッテスカウトで白鴎大野球部の藤倉多祐(ふじくらかずまさ)監督は「スカウトは現場で生の情報を確認してこそ。今は相当大変なはず」とプロ球団側の苦悩を推し量る。スカウトは有力選手であれば1年以上の期間をかけ試合や練習に足しげく通い、能力以上に性格など人間性を事細かにチェックするという。

 高校生は春の選抜甲子園、春季都道府県大会に続いて20日には夏の甲子園の中止も決定。過去の例では一冬超えて「大化け」し、ドラフト候補に急浮上することも多々あったが、隠れた逸材の伸び具合を確認する場もなくなってしまった。

 藤倉監督は「今秋のドラフトは指名数が減る可能性もある」と危惧。「コロナ禍」はアマチュア選手の将来にも暗い影を落としている。