ヨークベニマル戸祭店従業員に端を発した新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、宇都宮市は「集団感染」を強調し、「緩み」への警戒感をあらわにした。「盲点」を突かれた形の集団感染。「封じ込め」に全力を尽くす構えを示し、検査体制の充実を掲げた。

 国などの見解によるクラスター(感染者集団)は「同一の場で感染者5人以上の接触歴等が明らかで家族への2次感染が含まれない場合」だ。戸祭店を起点とした今回のケースでは、従業員の感染は4人にとどまったが、家族2人も陽性となった。

 佐藤栄一(さとうえいいち)市長は21日の臨時記者会見で「国見解のクラスターとは違うが、皆さんに感染防止の努力を続けてもらうため『集団感染』を強調した」と語った。

 戸祭店の感染急拡大は盲点を突かれた形だ。

 市側の緊張感が一気に増したのは、戸祭店従業員3人目の感染を公表した19日の記者会見。それまで市は「勤務先は感染予防対策が徹底されている」との見方を重視していたが、「3人は同じ時間帯にそれぞれ休憩室、更衣室を利用していた」と指摘した。

 その後、陽性が判明した4人目の従業員も休憩室などを使っていた。こうした経過について市は「長い時間いる勤務スペースは一定の対応ができていたが、休憩室などで感染の場面をつくってしまった」と説明した。

 市の調査も「そこにたどり着くのに時間を要した」とした上で、「こうした事例を次に役立てる」と今後に生かす考えを示した。

 佐藤市長は「事業者には(休憩など)勤務時間外の予防徹底にも協力をお願いしたい」と呼び掛ける。ドライブスルーの検体採取、検査機器の追加配備、感染者収容体制の充実を総合的に行い、より柔軟に検査に対応する考えを強調した。