1894(明治27)年、大田原出身の坂巻正太郎(さかまきしょうたろう)が奥日光・中禅寺湖畔に「レーキサイドホテル」を開いた。米国でホテル業を学び、帰国後に「金谷カテッジ・イン」(日光金谷ホテルの前身)の通訳兼支配人となった人物である▼外交官などが宿泊客のほとんどを占めた外国人専用ホテルだった。1966年に経営を引き継いだ東武鉄道は「日光レークサイドホテル」と名称を変えて営業し、2016年に閉じた▼そして、リゾートホテルとして120年以上の歴史が紡がれた地に、高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」が建設された。訪日外国人が増加し、世界の富裕層の受け皿として、きょう22日に開業するはずだったが、コロナ禍で延期となった▼東武グループは、日光エリアの活性化のため、SLの復活運転など積極的な投資をしている。国内はもとより海外からさらなる誘客を図る中核的施設として、同ホテルは位置付けられる▼鉄筋5階建てで「奥日光の自然と調和する邸宅」がコンセプト。中禅寺湖や男体山が望める客室は94を数え、広さは全室57平方メートル以上ある▼細谷真規(ほそやまさのり)総支配人は、仕切り直しの開業について「ゲストの方々が安全に宿泊いただけるタイミングを計り、準備を進めたい」と話す。日光ブランドにどんな効果をもたらすのか、その日が待ち遠しい。