2016年夏の甲子園で優勝を果たし、マウンド上で喜ぶ作新学院の今井

 夏の甲子園の中止が20日に決まり、県内出身の元甲子園球児らにも衝撃が走った。鹿沼市出身で作新学院のエースとして2016年夏に優勝を果たした西武の今井達也(いまいたつや)投手は「高校球児にとって大きなチャンスがなくなることは残念」と語った。

 今井はプロへの道を切り開いた甲子園を「自分を大きくしてくれた場所」と振り返り、大会の中止決定について「球児たちはもちろん、僕たちプロ選手、全国の野球ファンにとって残念なニュース」とコメント。失意の高校球児たちに向けて「気持ちの切り替えは難しいと思うが、新たな目標に向かって挑戦してほしい」とエールを送った。

 ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスで主将を務める小山市出身の青木玲磨(あおきれいま)外野手は仙台育英高(宮城)3年時の2015年夏に全国準優勝。「もし自分が3年生の時になかったらと思うとゾッとする」と目標を失った高校球児をおもんぱかる。その上で「甲子園がゴールではない。その先のプロ入りを新たな目標に、練習に励んでほしい」などと奮起を促した。

 横浜高(神奈川)で03年春のセンバツに出場した小山市出身の成瀬善久(なるせよしひさ)選手兼投手コーチは「甲子園はプロ入りを意識するきっかけだった」と振り返る。一方で新型コロナウイルスの影響を踏まえ、「中止もやむをえないだろう」と日本高野連の判断に理解も示した。

 ◇西武の今井が本紙に寄せたコメントは次の通り。

 甲子園の中止は正直とても寂しいです。たくさんの高校球児の皆さんが、この舞台をモチベーションにして頑張ってきたと思います。

 高校球児ならば誰もが春夏関係なく甲子園でプレーしたいと願っているでしょう。球児たちはもちろん、僕たちプロ野球選手にとっても、高校野球、いや、全国の野球ファンにとって本当に残念なニュースです。

 僕は甲子園に出て人生が大きく変わりました。きっと同じような人がいたはずです。彼らにとって大きなチャンスがなくなることは本当に残念でなりません。皆さんのことが心配です。

 母校の作新学院も10連覇が懸かる年でした。後輩たちは相当なプレッシャーの中で練習してきたと思います。だからこそ、気持ちのやり場がないですよね。

 作新以外の県内の球児たちも冬の厳しい練習を乗り越えてきたことでしょう。それで大会が開催されないというのはいたたまれない。作新ナインも挑戦者ですが、彼らも「打倒作新」の挑戦権を失ったわけですから。

 甲子園は「自分を大きくしてくれた場所」でした。大観衆の中で、持てる以上の力を出せました。今も帰省をした時には当時の思い出話をするくらい、高校野球には特別な思い入れがあります。

 高校の3年間で野球にたくさんのことを教えてもらいました。球児の皆さんにはこれからも野球を続けてほしいし、いつか報われてほしいです。

 誰も経験をしたことのないことに直面し、気持ちの切り替えは難しいと思います。「やりたいこと」と「やるべきこと」を探し、新たな目標に向かって挑戦し続けてくれることを願っています。