6月1日の学校再開に向け、栃木県佐野市立北中学校の教職員有志が「生徒に学校生活を安全、安心に過ごしてもらいたい」との願いを込めたマスク作りを進めている。仕事の合間に縫ったり、成形したり、ゴムを通したり、それぞれができることを分担したという。できあがったマスクは学校再開日に、野城久雄(のしろひさお)校長(58)のメッセージカードを添え、549人の生徒全員に1枚ずつ贈られる。
マスクは縦約14センチ幅約18センチ。夏場は汗でマスクの中が蒸れることに着目し、通気性を重視したガーゼ製の立体型にした。家庭科教諭がガーゼの調達や型紙作りを担当した。
野城校長によると、マスク不足が深刻化した4月に、教職員が生徒を助けたいと自発的に話し合い、製作を決めた。「生徒に会えなくても役に立つことがしたい」と徐々に輪が広がり、最終的にはほとんどの教員がマスク作りに参加したという。
「先生の中でも裁縫が得意な人もいれば、慣れていない人もいる。各自できることを分担して毎日作業を進めました」。マスク作りを提案した須藤真理(すとうまり)教諭はこう話し、「作業を通じ、教員同士のコミュニケーションを深めることもできました」と振り返る。
メッセージカードには「北中生へ愛を込めて。頑張っている北中生へマスクのプレゼントです」と、野城校長の思いが記される。野城校長は「生徒のために何かしたいという気持ちがどの先生も強かった。生徒たちに先生方の気持ちが伝わればうれしい」と話した。