地域でマイカーを持っていない人の生活の足をどう確保するか。議論をすると、最後に出てくるのが「ラストワンマイル」の問題だ。「家から近くのバス停など公共交通機関が来る所まで」といった意味になる▼高齢者の買い物や通院、学生の通学のためには、公共交通機関の充実がよく求められる。だが、バス停や駅まで歩くのも大変だ▼そこで、マイクロバスで家々を回って一緒にスーパーに行ったり、近所の人に有料で乗せてもらったり、自治体の助成で料金を下げたタクシーを使ったりする方法が各地で導入されている▼ただ、コストがかかり、運転できる人を探すのに苦労するなど課題も多い。「ラストワンマイル」をすぐに解決できる方策はないが、自動運転が一つの解決策になると期待されている▼決まったルートを走るのであれば、ゴルフ場にあるような電動カートが使えそうだ。道路に誘導する装置を埋め込めば大丈夫という。さらに家から目的地まで直接行けるようになれば、高齢者らの生活の制約もかなり減るだろう▼一方、楽になるだけに、みんなが自動運転車を選ぶようになる。そうなれば、公共交通機関の利用が大幅に減る。道路が大渋滞となり、地球温暖化を加速させる恐れもある。技術の進歩には、メリットとデメリットの両方に注意しなければならない。