医療従事者に無料でヘッドスパを施術する中澤さん。互いにマスクを着け、感染防止にも努めている

 【大田原】美容室などを経営する薄葉、中澤裕樹(なかざわゆうき)さん(39)は12日、医療従事者向けにヘッドスパの無料サービスを始めた。感染リスクや風評被害を懸念して来店をちゅうちょしている医療従事者を応援するのが狙い。中澤さんは「いつもお世話になっているので、恩返ししたい。心身の疲れを癒やしてほしい」と話している。

 中澤さんは看護師の友人から「美容院に行きたいけど、病院勤務の自分が行くとお店に迷惑かもしれない」という悩みを聞き、現場の心労を実感。経営する美容室「ホーム」フォレスト店(同所)とオアシス店(美原2丁目)の営業を自粛した4月27日~5月6日にスタッフとオンライン会議を開き、心置きなく来店してもらえるように態勢を整えた。

 両店では客とスタッフの手の消毒や器具の殺菌を行うだけでなく、噴霧器で次亜塩素酸水を常時散布している。予約人数も制限し、個室がないオアシス店には医療従事者用の施術スペースを設けた。スタッフ手作りのマスクを客全員に配り、着用してもらっている。

 中澤さんは「今後はコロナから逃げるのではなく、向き合わなくてはいけない」とした上で、「医療従事者の偏見や差別がなくなるよう、応援や感謝の心が広がってほしい」と話した。

 無料でサービスするのは、カットやパーマなどのメニューに追加するヘッドスパ(3千円)。14日に利用した、県北の病院で作業療法士をする20代女性は「普段はかなり行動を制限しているので、久しぶりに息抜きできた。サービスの心遣いがうれしい」と喜んでいた。

 両店は今後、基礎疾患がある人を対象にした貸し切りサービスや、休校中の子どもや孫と一緒に利用した人向けの割引サービスなども行いたい考え。