県内で信号機のない横断歩道を渡ろうとすると、最近は止まってくれる車が増えたと感じる。2018年の日本自動車連盟(JAF)の一時停止率調査で本県が全国最下位だったのを受け、県警が昨年放映したCMの効果が大きい▼反響を呼び、19年の調査では停止率が大幅に上がったが、それでも順位は下から数えた方が早い。「まだまだ止まってくれない」と今年制作された第2弾は、笑いを誘う一方、一人のドライバーとして人ごとではないと考えさせられる▼前作は横断歩道の両側で、車に阻まれ渡れず互いの名を呼ぶカップルの悲哀をコミカルに描いた。第2弾は、手前の車が停止したので女性が渡り始めたものの、奥の車は止まらず、運転していたのは恋人の男性だったというストーリー▼ハンドルを握ると、いとも簡単に車中心の考え方になってしまう県民性を見事に表現している。「あなたもそうなのか」と嘆く女性の表情が象徴的だ▼新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が本県など39県で解除された。大型連休明けから戻りつつある車の往来が、解除に伴い、ますます増えることが見込まれる▼横断歩道は歩行者優先。渡りたい人がいるかどうか、必ず確認する習慣を今こそ身に付けたい。一時不停止が恋人同士の別れの原因となったりしないように。